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「おそ松さん」はなぜヒットしたのか|マーケティングたんのガバガバ分析で見る 2015年秋 話題になっているアニメランキング

みなさんごきげんよう、マーケティングたんです!

 

今回は私の個人的な趣味で、特定のワードのツイート数を一か月分計測できるTOPSY(http://topsy.com/)というサイトを使い、「今期Twitterで一番呟かれているアニメタイトルは何か」を調べてみました。

 

ただ、検索ワード漏れや、原作・ゲームについてのツイートとの区別が難しかったりと、分析結果としてはかなりガバガバですので、

大体の“スケール”だけを今回の分析結果から把握して頂ければとおもいます。

 

それでは行きます!画像は上位14作品の結果です!

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(詳細なデータ集計方法・15位以降のランキングはこちらからご参照いただけます→

data 秋アニメに関するツイート10月分.pdf - Google ドライブ)

 

 

今回の分析で「大体の“スケール”」だけを把握して頂きたかったのは、一部のアニメについてはその話題にされ具合があまりにも顕著だからです。

 

そう…今期はどう見ても「おそ松さん」が覇権のようです!

 

「知ってた。」

 

でもいくつかお詫びさせて頂くと、先程の検索漏れも考慮すると「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」関連のツイートはもっと存在していたはずですし、

ハイキューにもしアニメ以外の内容のツイートが多く含まれていたとすると、こちらは今回の結果より実質少ないかも知れません。

各アニメブランドの情報チェックしきれていないのでここらへんもガバガバです、本当に申し訳ない。

 

ちなみに、上位6作品のツイートの推移を見てみると、面白いことが分かります。

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基本的にアニメの視聴というものは、途中で大きなバズ(盛り上がり)を起こさない限りは、

・一定の継続視聴者数を抱えて横ばい

もしくは、

・少しずつ視聴者が減少

する傾向があります。(ちなみに全ての作品で、小さな山が定期的に出来ているのは、その日がアニメの放送日だからですね。)

 

 

ですが、「おそ松さん」は全く逆の動きを見せています。これは「口コミが起こることで、毎回視聴者数が増えている」というケースです。これアニメとしてはウルトラ大成功な状態です!

 

「おそ松さん」は10月5日にテレビ東京などで初回が放送。その日は約45000ツイートを記録しています。ちなみにその前日のツイート数は4200、さらにその前日は1000ツイート未満でした。

 

問題はその後のツイート数で、2話目の放送で、ツイート数がガクッと27000まで落ちたかと思うと、その後話数を重ねるごとにツイート数が増加していき4話目にして初回放送を越える62000ツイートを記録しました。

 

なんなんだこれは…。

 

 

ということでここから先は、どうして「おそ松さん」がこのようなイレギュラーな伸びを見せたのか、私なりに考察してみました。

 

 

 

1 問題アリの1話目でバズを起こす!

 

実はこの第1話、もう見れないんですよね。

 

というのも当アニメの制作委員会の判断により、BD&DVDでは第1話が収録されないことになり(そのかわり新作アニメーションが収録されるとのこと)、

また2015年11月12日時点で、各動画サイトでも配信終了となってしまったのです。

「お蔵入り」ってやつですね。

 

その第1話の内容ですが、「うたの☆プリンスさまっ♪」や「花より男子」・「黒子のバスケ」・「弱虫ペダル」はてまた「ラブライブ!」や「進撃の巨人」などとにかくパロディのオンパレードでした。

権利元に喧嘩を売っていくスタイル…嫌いじゃないです。

 

そして、そんなインパクトの強いパロディ祭りに視聴者が騒がないはずがなく、放送当日から一気に同作品についてのコメントが呟かれ、放送前日の十倍以上である45000ツイートという数字を叩きだしました。

 

こうしたインパクトが強く、話題性のある事柄で、市場を一気に盛り上がらせることをバズ・マーケティングと言ったりします。(その事柄がネガティブなものであれば“炎上マーケティング”と言ったりもします…)

 

 

元来、イケメンとは言えないキャラクターに実力派の声優をキャスティングした作品は今までだってありました(今期も血液型くんがありますね)。

 

「おそ松さん」もその流れに従うだけであれば、ここまでの伸びは期待できなかったかもしれない…そう考えると、今回の様な盛大なパロディ祭りも、お蔵入りになることも含めて”戦略の内だったのではないかと…私は思っています。

 

 

 

2 ターゲットの市場を定め、そこをお祭り状態にする!

 

ですがそれでも「おそ松さん」第1話を見た限りでは、私はすぐにバズは沈静化するだろうと思っていました…が、そうはなりませんでした!

 

第2話以降は、おそ松さんたちのビジュアルが一変することもなく、原作に則ったキャラクターデザインで物語が展開されるので、視聴者はすぐ離れてしまうリスクがありました。実際第2話の放送で、ツイート数が27000まで落ちたことは、第1話の反動ともとれます。

 

ですが、そこから「おそ松さん」は、ツイート数を飛躍的に増加させていきました!

一体これはなぜなのか。客観的な根拠に乏しいですが、私はこれまでの放送の中で、そうなるような仕掛けを施していたのではないかと思っています。

 

まずは、「おそ松さん6人兄弟に実力派の男性声優をあてたこと & 第1話にイケメンのビジュアルで登場させたこと」。まずはここで、今回のアニメの主なターゲットが女性であることを、バズる内容と共に大々的にアピールしたと考えられます。

 

そしてすごいのはここから、「赤塚不二夫先生タッチの絵柄が比較的絵に描きやすいこと」「兄弟6人の顔つきや私服のセンスなどが若干違う事」。

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そう、これで何が起こるかといいますと…“ファンの創作意欲が掻き立てられる”ということです!!

 

 

今回実はこんな調査もしてみました。

二次創作の大型市場とも言えるお絵かきコミュニティサイト「pixiv」にて、11月5日以前の約一か月分に二次創作が描かれたアニメ・ゲームのブランドを抜粋してみました。

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なんと刀剣乱舞を追うようにpixivにて「おそ松さん」が描かれていることがわかります…!

 

比較的描きやすい絵柄のため、普段あまりイラストを描かない人も手軽に参加でき、時間に余裕がない絵師さんもサッと描き上げられる。

そのうえ6人兄弟の顔つきや服装そして性格に違いがあることで、いろんなシチュエーションや組合せでの創作が可能、となれば確かにこれはみんな何かしら描きたくなるかもしれません…!

 

そしてツイッターもpixiv同様に、創作物発表の場として機能しているため、多くのファンによる作品が発表され、拡散され、新規の視聴者を増やしていく…

こうしたメカニズムがこの短期間のうちに形成されたのではないでしょうか?

 

 

 

さてさて、そんなこんなで大きな盛り上がりをみせ、2クール目も決定した「おそ松さん」。アニメをビジネスの視点で見るのであれば、やはり気になるのはグッズや円盤などの売上ですね。

 

グッズはまず間違いなく売れていると思うのですが…アニメ作品自体、つまり円盤はどれほどのファンが購入するのでしょうか。放送シーズン中に話題になっても肝心の円盤は売れない、というケースも十分あるので、ここはちょっとだけシビアに観察していかなくてはなりません。

 

 

 

今後もいろいろとデータを集めて調査してみたいと思います!もちろんツイート数の調査も引き続きやっていきますよ!

 

 

 データの詳細やそのほかの作品についてはこちらからご覧になれます!!

data 秋アニメに関するツイート10月分.pdf - Google ドライブ

本当にガバガバなのでご指摘大歓迎ですw是非是非お願いします!!

 

 

ではでは、以上マーケティングたんがお送りしました!!

ここまで読んで下さって本当にありがとうございました!!